Sparkles United


電子書籍の衝撃
May 10, 2010, 6:35 pm
Filed under: Books, Diary, Thought

電子書籍の衝撃という話題の本を読み終わりました。最初はちょろちょろという出だしだったものの、途中からとても面白く、一気に読めました。Amazonでは「推測に過ぎない」だとか「リサーチ不足」といった厳しいレビューコメントもありますが、単なるデバイス周りの話題にとどまらない、構造的な話が非常に参考になりました。

そのうちのひとつは、取次と出版社との関係の歴史的背景です。海外とは大分違うのだろうな、とは思っていたのですが、ここまで硬直化しているとは。以前勤めていた出版社は取次も通していましたが、どちらかというと定期購読が多く、売り上げに関係なく好きなものを作るようなところだったので(というか、スタッフには売り上げが知らされていなかったという衝撃の事実。。。いかに安月給かを隠すために違いない)、あまり考えたことがありませんでした。

もうひとつの収穫は、出版社と著作者との間に契約書が交わされていないことが多い、ということ。権利関係がハッキリしないため、90年代に打ち上げられた電子書籍コンソーシアムも失敗したんだとか。

加えて、KindleとNookを両方使ってみて比較している人の意見は初めてだったので参考になりました。どうも現時点で既にBarnes&NobleのほうがeBook点数が多いようなので、使い勝手もNookが良いとなると、どうなんでしょう。

また、コンテンツビジネスについて日ごろ考えていたことと重なる意見が多くて、自分の推測を他人の目から検証できたという意味でも面白く読みました。

個人攻撃が多いような気もしますが、わたしは攻撃されている側ではないので、むしろスカッとしました。出版業界にいらっしゃる方にとっては、厳しい意見が多いかもしれません。

ひとつ多少意見が異なる点は、「編集」という作業の重要性です。著者は最終的には「ソーシャルメディアで自分と同じようなテイストのレビューアー(やマイクロインフルエンサー)が編集という作業を代替する」といった趣旨のことが書かれていますが、半分本当で半分は大げさかな。個人がダイレクトに発信できる時代だからこそ、(1)質の低いものの中から宝石を掬い上げる、(2)編集という作業を通して質を保証する、という機能が益々大事になってきて、(1)はソーシャルメディアで代替できるかもしれませんが、(2)は難しいと思います。

これ一冊で世の中すべてが分かるとは思いませんが、Food for Thoughtとしておススメです。



Kindle Experience without Kindle
May 10, 2010, 5:52 pm
Filed under: Books, Diary, Thought

I wanted to briefly update my readers about my recent e-book experience.  I have successfully completed my reading of 4 Kindle books, 2 of which are within a week, on my Macbook (named Alain in a french way) and iPhone (still hasn’t been named).

Let me tell you this very clearly: don’t do it.  It will kill your eyes, then your shoulders, then your head.  No, I don’t want to read my books, newspapers, nor magazines on computer/cell phone/ iPad screens.  Period.

奇しくもiPadの発売日決定と予約注文開始のメールを受け取った今日にこんなことを書くのもなんですが、iPhoneとMacbookのKindleでeBookを数冊読み終わった感想。絶対二度とやらない!これは失明の第一歩だと実感しました。やっぱり紙の本がいいです。それか、本物のKindle/Nook。iPadはそのうちeインクになるのではないかという話もあるそうですが、そうならない限り、書籍の代替は厳しいんじゃないかな。。。。持ち歩けるメディアプレーヤーという使い方はいいと思いますけど。



Lucie Lie Exhibition in Tokyo
May 10, 2010, 1:09 am
Filed under: Diary, Knitting & Craft, Thought

It was a sunny day, such a perfect weather for a small neighborhood stroll.  I managed to bring all my winter boots to a shoe repair shop, did some other chores and felt pretty good about myself.  So, on did I ventured to an exhibition that I was dying to see.  I had written about this person some time ago (a year or two?) when I bought a book on her beautiful work, but anyway there is a show going on for a great Austrian/English potter, Lucie Lie.

The collection was far greater than I had expected.  Apart from the signature style of very simple and colorful yet serene vases and bowls, she invented and rediscovered so many different methods which resulted in diverse beautiful textures.  Still, all of them are so Lucie.  I love her pink the best of all, but other styles were equally intriguing. It was totally worth my $15 and I wouldn’t mind going back there again.

By the way, her surname “Lie” is her husband’s name.  Even though they were married for a very short while, she had kept it forever.  I think she probably loved the rhyme of Lucie and Lie, and preferred it for it sounds and looks more “artisan” than her original name.  Lovely.

The thing that surprised me the most about her work was the preciseness.  She kept record of every single trial and mixture of colors and materials.  Some of her works are very simplistic, look almost as if made by the industrial production, but the amount of work put into them are truly amazing.  Such attention to the tiniest details.  This is the key that made her work so appealing, current and relevant.

Value of things stopped coming from how much they cost or who are the owners.  Rather, how much attention and energy put into the creating process makes all the difference.

Check out her exhibition at New National Art Museum (Shin Kokuritsu Bijutsukan) in Roppongi, running through mid June.



I ♥
April 21, 2010, 12:03 am
Filed under: Diary, Thought | Tags: , ,

I NYという誰でも目にしたことのあるロゴ。

もう超眠いのですが、今朝から気になっていて、これを書かないと眠れません。何故かというと、朝通勤途中にI ♥PARTYというロゴの入った洋服を着た女の子(衣装には気を使っているぽい)を見かけたからです。誰がこんなセンスのないもの作ったのか?!

。。。というのが気になったのではなくて、そもそもI ♥ NYというのがいつからあって、誰がつくったのか、ということです。

調べてみると意外にも古くて、1977年からあるそう。街が荒廃して観光客が減ったのを苦慮した当時のNY州商業課(でいいのかな?Department of Commerce)が広告代理店とグラフィックデザイナーを雇い、このロゴを開発して一大キャンペーンを展開。どれくらい成功したかは皆さんもご存知の通り。模造品や模倣品(I ♥ を使った商品など)が余りにも沢山出てきて、NY州は大量の訴訟をもって対処しようとしてきてモグラ叩き状態らしいです。つまり、勝手にパクると訴えられる可能性があるということ。

もうひとつ驚いたのは、当時既に名の知れたデザイナーだったせいか、Milton Glaserはタダでこの仕事を引き受けたそうです。80歳を超えても依然現役のGlaser。彼のウェブサイトも色々見てみましたが、私自身は他にあまり知っている作品はありませんでした。色々なロゴやレコードジャケット、商業デザイン全般的に手がけてきた有名な人らしいです。

Wikipediaを読む

ウィキペディアのページで見つけた「I sell New York(Gotham GazetteというNYの政治等を扱う雑誌より)」という別な記事を読むと、アメリカの各都市がいかに街としてのマーケティングに力を入れているかが分かって面白いです。チーフ・マーケティング・オフィサーを雇ったり、広告代理店のトップをアドバイザーにしたり。ラスベガスはなんと2003年当時、年間で170億円くらい(191 Million USD)マーケティング費用に使い、イリノイ州で約80億円(91 Million USD)、NYは14億しか使っていないと(それでも多い)報じています。そのお金で観光客だけでなく、大企業を誘致したりもする。もちろん政治制度や慣習の違いもあるのですが、アメリカで経済や人口が一極集中せずに各地が独自性を保っているのにはこういった仕組みもあるのかな、と思いました。



Big Wallet
April 20, 2010, 5:38 pm
Filed under: Diary, Thought | Tags: , , , ,

English Text Follows.
なぜかここ数日ブログへのアクセスが急に増えました。話題の作家について書いたからでしょうか?

数ヶ月前から非常に気になっていた広告がありまして、それについてブログに書こうかとつれづれなるままに考えていたところ、今日になってそれがBig Walletと最近言われている手法なのではないかと思い至ったのでした。
残念ながら企業名が思い出せないのですが(商品には興味がなかったため)、同じCM映像を別な会社の複数の商品・広告に使うというものです。一つはナショナルジオグラフィックの番組宣伝(サーファー風の3人が日本の各地を旅するというもの)。その同じ映像を使って、サーフショップの宣伝バージョン、デジタルビデオカメラ(よく知らないメーカー)の商品広告を作っているようです(他にもあるかもしれない)。昼間にぼおっと見ていたらCMとひとつながりになって番組そのものをやっていたこともありました。
このコマーシャル自体は余り魅力的な仕上がりではないのでアピール度が低いですが、上手く作ったらとても効果的なものが出来るのではないかと思いました。何度も同じ映像を見るので覚えてしまうし、でも微妙に中身が違う、みたいな。
Big Walletとは本も出ていますが、複数の企業がお金を出し合って共同でプロモーションをする手法として、最近出てきたコンセプトです。以前からやっている人はいたかもしれませんが、「手法」として認識されたようです。

ちなみに、この前Uniqloに行ったらAlice In Wonderlandの映画の公開にあわせ、コラボデザインの洋服を売っていました。可愛かったのでスパッツなど購入したところ、1アイテムにつき1つオマケが付いてきた。採算が取れているのかな?と疑問に思いましたが、考えてみたら、あのオマケはDisney提供だったのかもしれません。

もっともっと色々な組み合わせが出来そうで、なんか楽しいです。やっぱりもっとソフトな商品を扱う会社に転職したい気もします。金融商品では、うかつにオマケも付けられないので。。。

The idea of blogging about one particular series of TVCM was in my To Do list for a while. Somehow, just today, it had hit upon me that the CM was made in line with what is now called “Big Wallet” strategy.
The company names had slipped my mind, unfortunately, but this series of TV commercials is using the same video for a few different advertisements of different companies. There is this program on National Geographic, in which 3 surfers (or who look like it) travel around Japan. They use the video image for the CM of this program, then additionally for a surf shop, and then a digital video camera. Also, the way they created it, it is hard to figure out whether it is a program itself or infomercials.
This particular CMs are not that attractive, but the method itself is very interesting and has a lot of potential. People watch the same video many times, yet the contents are slightly different.
Big Wallet is a method or strategy, where multiple companies get together and cooperate on promotion activities, and of course share the costs, thus you get a bigger wallet. The method is one of hot topics in marketing these days.
The other example I noticed was Uniqlo/Disney tie-up on Alice in the Wonderland promotion. Uniqlo is selling very cute T-shirts with Alice-inspired designs, then when I bought a few items, they gave me a small gift per item (wow). Now I realized that the gift was offered by Disney, not by Uniqlo.
There are unlimited ways of creative promotions like this. I wish I were working for a company that sells more interesting products. You can’t really do much with financial products, because of the strict regulations…



考える人
April 18, 2010, 11:56 pm
Filed under: Books, Diary, Thought

新潮社をちょうど見直したところ。

「考える人」という雑誌の「はじめて聖書を読む」という特集を読んでいます。昨日から結構読んでいるけどまだ特集さえ読み終わらない。かなり読み応えあります。でもそんなことより、本当にすごく面白い特集です。すごい。

作家、文化人、そして聖書研究者や宗教学者の聖書との付き合いかたや論点など。子供の頃に新約旧約の聖書物語なら読んだことがあったけど、聖書そのものはまだ。もし学生のころにこの特集を読んでいたら、宗教学に進んでいたかもしれません。そもそも、法学部に行ったのも法律を通して国や文化や思想の違いが学べるのではないかと思ったからだし(そして、法律そのものは詰まらなかった。。。)。聖書について知り、古代の人たちの考え方に触れるにつけ、本当に違う世の中だなあと思います。人間は違う立場、文化、文脈にある相手のことを理解することができるのか。相当な努力が必要だと言うことは分かります。

田川建三先生のアフリカ時代の話など、本当に面白かった。大学を出てから触れた歴史に関する文書のなかで、これが一番心を動かされたかも。

考える人 2010年 05月号



ハルキ
April 16, 2010, 4:45 pm
Filed under: Books, Diary, Thought

最近ブログをサボっています。どうも済みません。

本当にどうでも良い話なのですが、わたしは村上春樹が嫌いです。って以前にもブログに書いた気がします。でもそれ程興味が持てない作家が他にもいないわけではなく、別にどうってことも無いのですが、これだけ話題になっている(ように見える)と、「なんでなの?わたしは嫌いなのに?」と思わざるを得ないんですね。

海外の友達と話すと、日本人の文化人ということで大抵「村上春樹は読んだことがある」という流れになります。大抵の場合、とても良かったということを言われます。普通はそこで終わりなのですが、最近来日した友人に「なぜ嫌いなのか?もう一度読んでみたらどうか?」と散々突っ込まれました。流石にそこまで言われて、その良さが分からない自分に非があるのかと思ってしまったりします。

「村上春樹が嫌い」とGoogleで検索すると、同じような意見の方がそれは沢山出てきて、ある新聞の調査結果を引用している方によると、回答者のうちほぼ50%が作品を読んだことがあって、そのうち半分は「嫌い」と答えているとのこと。意外と多いじゃないですか。嫌いな理由はそれほどハッキリとはしていませんが、要約すると「中身が無い」。好きな理由は「上手く説明できない」というのが多いようなのが笑えます。傾向的には、普段あまり本(特に小説)を読まない人が村上春樹を読んで「少し知的に感じる」というところなのではないかと思います。(ただ、例外もあるというのが難しいところ)

わたしがひとつ言いたいことは、皆が良いと言っていようが売れていようが、自分が好きか嫌いかは自分で判断して欲しいということです。それを相手に伝えたからといって、相手の人格を否定しているわけではありません。本に限らず、映画でも人でも建築でも同じです。

建築にしても、文学にしても、そして私には良く分からないけど音楽にしても、批評するということは誰にでも出来るものではなくて、非常に難しい作業なのだと思います。批評できるだけのリテラシーを付けることが、義務教育や大学の教養課程の役目だと思う。こういった教育にはやはり、テレビではなくて読書や良い作品に触れて議論すること。こうして、文化が発展するのではないか。とも思うのですが、それは西洋的な文化に限った話なのかもしれません。

ちなみに、ハリーポッターもガルシア・マルケスも、非常な設定において人間の感情や行動はとても人間的であり日常的であり、そこにユーモアやコメディがある、というところに惹かれます。面白いと思う小説は殆どこのパターンです。そして、それが文学というものなのではないかと思うのです。
村上春樹はその間逆な故に、興味が持てないのです。